ファーストパターンとは?原型を使わない作図がパターン検定1級で有利な理由
こんにちは。I-bellepattern 代表・パタンナーのMisakiです。
パターン検定の対策をしていると、必ず出てくるのが「ファーストパターン」という言葉です。
「ファーストパターンが理解できない」「どこから描けばいいか分からない」。講座を始める前にいただくお悩みで、とても多いものの一つです。
この記事では、ファーストパターンの基本的な意味と、私が1級の試験対策で取り入れた「原型を使わずに描くファーストパターン」の考え方をお伝えします。
ファーストパターンとは
ファーストパターンとは、デザインをもとに最初に作るパターンのことです。縫い代は付けず、出来上がり線で作図します。
服づくりの流れでいうと、次のような位置づけになります。
- デザイン画・仕様の確認
- ファーストパターンの作図
- シーチング(トワル)で組み立て、ボディに着せて確認
- パターンの修正
- 縫い代や合印を付けた工業用パターンの作成
ファーストパターンは、その後のトワル、修正、工業用パターンすべての土台です。ここで迷ったり、線がぶれたりすると、後の工程で時間が足りなくなります。
検定ではファーストパターンがどう扱われる?
パターンメーキング技術検定2級
2級の実技では、ジャケットのデザインが1つ出題され、ファーストパターンとシーチング(片身頃)を提出します。フラットパターンメーキングで作る場合は、原型を使った作図も添付するルールです。
2級で使う原型は各自が持参します。協会が使える原型・使えない原型の例を公開しているので、自分の原型がルールに合っているか確認しておきましょう。
パターンメーキング技術検定1級
1級では、ファーストパターンから始めて、シーチング、工業用パターン、縫製仕様書まで、すべてを約6時間で仕上げます。原型は会場で配布されたものを使います。
ここで問題になるのが、「当日配られる原型に慣れていない」ことです。私も1回目の受験では、ふだん練習していた原型と勝手が違い、作図にかなり時間を取られてしまいました。
「原型を使わないファーストパターン」とは
そこで私が対策教室で学び、合格につながったのが、原型を使わずに身頃・衿のファーストパターンを作図する方法です。
原型を写してから展開するのではなく、基準になる線と寸法から、いきなりジャケットの形を描いていきます。
メリット1:原型に左右されない
原型に頼らないので、当日配られる原型の形に戸惑うことがありません。ボディの寸法と、デザインの条件から作図できます。
メリット2:手順が決まるので速い
「どの順番で」「どの基準を使って」描くかを決めておけば、毎回同じ手順で描けます。迷う時間がなくなるので、トワルの修正や工業用パターンに時間を回せます。
メリット3:修正がしやすい
どこを基準に描いた線なのかが自分で分かっているので、トワルで気になる部分が出ても、どの線をどれだけ動かせばいいか判断しやすくなります。
ファーストパターンでつまずきやすいポイント
添削をしていると、多くの方が同じところでつまずいています。
- 描く順番が毎回違う:その日の気分で手順が変わると、時間も仕上がりも安定しません。
- 基準線があいまい:中心線やバストライン、ウエストラインの位置がぶれると、パネル同士がうまく合いません。
- 衿に時間がかかりすぎる:衿は見た目の印象を大きく左右する部分です。身頃と同じく、決まった手順で描けるようにしておくことが大切です。
- デザイン画と比べていない:作図に集中しすぎて、ラペルの幅や打ち合いの位置がデザイン画とずれていることがあります。
3面体と4面体、どちらで練習する?
検定のジャケットは、身頃の切り替え方によって3面体(前・脇・後ろの3パネル構成)と4面体(前・前脇・後ろ脇・後ろの4パネル構成)に分けて考えることが多いです。
どちらが出題されても対応できるように、両方の作図を練習しておくのがおすすめです。I-bellepattern では、目的に合わせて次の講座をご用意しています。
- ジャケット3面体ファーストパターンの描き方講座(1級対策)
- 4面体ジャケット身頃の描き方講座(2級対策)
まとめ
- ファーストパターンは、デザインをもとに最初に作る、縫い代なしのパターン
- 2級は原型を使った作図も提出。1級は配布原型を使うため、原型に頼らない描き方が強い味方になる
- 大切なのは「決まった順番」「決まった基準」で毎回同じように描けること
ファーストパターンは、本や動画を見るだけでは身につきにくい部分です。実際に手を動かしながら、描く順番と基準を一つずつ確認していくのが近道です。